「温故創新」220728 N1088 伊波喜一

陽の強さ 作物の実に 影響を 見た目変わらず 中身に変化   

 蝉が鳴き始めた。酷暑の7月下旬だというのに、蝉はすでに秋の気配を感じているのかも知れない。

 天候不順のせいか、ブルーベリーの実の付きが悪い。1粒取ると、回りの実がそれにつられて落ちてくる。それも何個もである。これまでには、たえてなかったことだ。

 それにしてもである。去年も一昨年も、猛暑であった。その分、実の生りが早く、実も甘かった。猛暑が作物の成長を早めるのであれば、それはそれで利点だと思っていた。しかし、今夏の様子を見ていると、どうもこれまでとは勝手が違うことに気づく。

 そういえば、3月下旬から生り始めたサクランボも、4月上旬までにあっという間に実が終わった。枝の剪定はこれまで通り、蕾のついた枝を極力残してあった。実の生り方に、そう大きな変化があるとも思えない。

 ところが、実の生りは昨年の半分以下であった。実の甘みも薄く、真っ赤に色づいていた割には味が薄かった。人はたった1度気温が上がっただけで、暑さに喘ぐ。食物ではそういうことはないと思っていたが、実際には大きな影響があるようだ。

 地球温暖化が叫ばれているが、その影響は農・漁業にダイレクトに影響してくる。暑さに対応しつつ、寒さにも適応できる品種への改良を、日本は本腰入れて取り組む時である。