「温故創新」220627 N1066 伊波喜一

対策を 先延ばしした ツケ回る パンデミックの 再来必須

 6月にして、すでに酷暑である。先日は伊勢崎市で40.1℃を記録した。これは国内の6月の最高気温となった。

 ハイテク分野で築いた莫大な富を「グローバルヘルス」に注ぎ込んでいるビル・ゲイツ氏が、パンデミックの再来に言及している。グローバルヘルスは、地球規模の医療・健康の課題解決に取り組んできた。

 ゲイツ氏は2015年に、現行のパンデミックを予想していた。その根拠として、過去100年のあらゆるアウトブレーク(感染爆発)を調査してきたことを挙げている。そして、人々が広範囲且つ頻繁に移動することで、感染が爆発的に広がることに気づいた。

 感染症の多くは主に途上国の問題とされ、先進国はワクチン確保に血眼になった。

 ところが、皮肉なことに先進国では高齢化が進んでいるがゆえに、高齢者の被害が突出した。死者数は2千万人を超えると言われており、対策の後手がこのような結果につながった。

 ゲイツ氏はパンデミックとグローバルファンドを運用する組織との関係を、火事と消防署に例えている。「備えあれば憂いないし」という訳である。日本はこれまでに、エイズ結核マラリア対策基金の設立に貢献してきた実績がある。

 参院選では軍備や軍拡などと勇ましい議論も飛び交っているが、医療分野で貢献できることにも目を向けたい。