「温故創新」220515 N1032 伊波喜一

壁厚し 治外法権 民主化の 矛盾抱える 本土復帰       

 柳の新緑が美しい。4月と比べ緑が濃くなってきており、陽射しの中でその緑が眼に優しい。

 沖縄の祖国復帰から、今日で50年である。直前に1ドル=360円の固定相場制から、1ドル=260円の変動相場制へと切り替えられた。

 その結果、ドルの価値が3分の2に下落した。祖国復帰するしかない沖縄に対する、国家の欺瞞である。先の見通せない中で、不動産の処分などは投げ売り状態だったことが強く印象に残っている。

 一方、米軍基地の割合はどうか。終戦後の1950年代は本土90%に対して、沖縄は10%。復帰前後の1970年代は本土40%、沖縄60%。2022年現在では本土の30%、沖縄は70%にも増えている。1県が負担する限度枠を、はるかに超えている。

 その分、沖縄への軍用地や思いやり予算などの措置を講じているはないか、という意見もある。しかし、1万8700haにも及ぶ基地は、土地の中央部分を縦断している。これらの土地が解放されれば、その経済効果は数十倍にも上ると試算されている。

 何よりも、辺野古基地埋め立てのような環境破壊と資源の浪費に比べ、どれだけ県民の生活向上に利することだろう。

 軍事目的の経済政策は所詮、砂上の楼閣である。その意識を高めない限り、基地問題は解決しない。