「温故創新」220217 N1005伊波喜一

動物は 福祉に貢献 いや増して 倫理原則 動物にこそ 

 突然の夕立で、乾ききった空気が潤った。こう乾燥状態が激しいと、皮膚がかさかさして痒い。静電気も凄い。

 動物福祉や動物の権利に、光が当たってきている。現代の工場式畜産や動物実験の陰惨な状況を、現代人は当然の事として受け入れている。ブリーダーの中には過度な交尾をさせて、動物を使い捨てていることもある。

 動物には感情がある。どころか、動物の情に触れて蘇生することがままある。動物は物ではない。だから感覚や感情、意識を持つ動物を苦しめることは、倫理的に許されない。

 動物の存在を恣意的に歪めるのはスピーシージズム(種差別)である。動物は低知能で感情をともなわず、人の意のままになるという発想だ。それがレイシズム(人種差別)やセクシズム(性差別)へと発展し、強制収容所での強制労働などに転化した。

 これら歴史の証明は、人の愚かさと傲慢さの現れとも言える。

 EUの基本法であるリスボン条約では、「感覚を有する存在」である動物の福祉を配慮する義務が定められた。動物を保護する様々な施策や動物愛護法の改正など、食肉の制限や産業構造の転換は今後避けて通れない課題だ。

 本気で取り組む一人が声を上げることで、その勇気と熱は伝播する。動物に優しい環境は、人にも優しい国となろう。