「温故創新」211011 N906 伊波喜一

どうこうと 周りが何を 言おうとも 自ら信じ 自ら動け     

 10月も半ばに近づこうというのに、日中は半袖で過ごしている。朝晩は涼しいが、肌寒くはない。

 かつては、8月のお盆を過ぎると風の涼しさを感じた。9月のお彼岸を境に、一気に秋がやってきたものだ。やがて、秋と冬の境がなくなってくるかも知れない。

 人生100年時代と言われて、「長生きできるなんて幸せ!」と素直に喜べる人は少ないだろう。

 大抵は親や配偶者の介護、自身の健康と気力、生活資金の蓄えなどで悲観的になりやすい。しかし選り好みさえしなければ、日本には仕事がまだまだある。

 学生時代、生活資金がなくなると、その日に即金でもらえるバイトをしていた。ある時、賃金がまあまあできつくなさそうな、チョコレート工場でバイトした。チョコレートの原料の余りをスプーンにすくい、型取り用の容器に垂らし込む作業だ。

 作業の仕方を覚えると、あとは楽に出来ると思ったのが甘かった。チョコの匂いが鼻について、耐えがたくなった。筆者は1週間で音を上げてしまった。だが、社員は黙々と作業を続けていた。バイトの腰かけとは違い、彼等には生活がかかっている。その自覚があるからこそ、きつい仕事も続けられたのだ。

 傍目には楽そうにみえても、仕事には手間暇と辛抱が必要である。