「温故創新」211004 N899 伊波喜一

人生の 経験思考 積み重ね 本質見抜く 眼力持ちたし 

 実家の草刈りが終わった。仕方のない事ではあるが、距離が離れ過ぎていると自分では刈れない。だから、業者に頼んでいる。

 温暖化の昨今は、草木の伸びるのが早い。ご近所に迷惑にならないか気にかかっていただけに、ホッとした。

 スマホやゲームなどの視覚情報で、現代は眼の酷使が大きな問題となっている。

 私達の眼は、脳と密接に結びついている。それもそのはず、眼は細胞分裂の際、脳となっていく細胞から派生して誕生する。したがって、眼差しにはその人の本質が潜んでいると言っても過言ではない。

 近年、眼差しの重要性がとみに指摘されている。ここ10年、分断を煽る言葉や憎悪の眼が世間に溢れている。境涯が低くキャパの小さい人では、相手を認め、称え、育てることは出来ない。

 目は口ほどにものを言うである。その感情はダイレクトに相手に伝わり、互いの関係を悪化させる。

 反対に相手を尊敬し、補い合う関係を築こうとする人からは、安定ホルモンが出る。その結果、互いの関係が良くなる。

 赤ちゃんは、じいっと相手を見つめる。穴のあくほど見つめ続ける。

最初は全く笑顔を見せないが、やがて相手を認識し、笑い始める。

 見つめ合うと、情緒を安定させるオキトシンが分泌される。互いの非を攻めるより、温かく長い眼で見守っていくことこそ肝要だろう。