「温故創新」210413 N725 伊波喜一

マスターズ 日本人初 10年目 グリーン周り パットで制す 

 日中の温かさとはうって変わって、午後3時を過ぎると急に気温が下がる。4月の陽気は定まらない。 

 男子ゴルフのメジャー大会、マスターズ・トーナメントで、松山英樹が初優勝した。日本人では初めてである。

 単独首位から最終組で出た松山は4バーディー、5ボギーの73でまとめ、通算10アンダーで優勝した。後半4ボギーを出しながらも、1打差で逃げ切った。 

 松山というと、豪快なティーショットのイメージがある。しかし今回、5番のティーショットをバンカーに落とすなど、後半から乱れが出た。

 グリーンに上げたものの、5mも距離があった。それを安定したパットで沈めた。今回の勝因は、このパットの安定にある。 

 それともう一つ。帝王とよばれたジャック・ニクラウスが「全てのパットがコントロールされていた」とコメントしていたように、悪い状況下でも決して崩れなかった精神の安定度が光った。 

 ゴルフは確かな技術に加え、自身の功名心や射幸心、一喜一憂する癖と闘わなくてはならない。最終ラウンドで追い上げられても、平常心で打つのは出来る事ではない。

 松山が自身の短所に向き合い、克服してこその勝利だったことを、インタビューで実感した。後続の限りない励みとなるだろう。