「温故創新」200812 N507 伊波喜一

中国の 科学論文 世界一 米国抜いて 存在感増す   

 セミの鳴き声が賑やかに感じる。暑さが絶頂の時に聞いているからかも、知れない。当分、この暑さは続く気配だ。 

 自然科学の論文数で中国が米国を抜いて、世界一になった。中国が論文数で30万6千本、シェアで19・9%を占めた。

 研究大国の米国は18・3%で、日本は4・2%である。

 急上昇の背景には、豊富な研究費と学生を海外に送り出す留学制度の後押しがある。大学の研究費の伸びは、日本や欧米は8年前と比べて1・0~1・8倍に留まっている。ところが、中国は10倍に激増している。 

 留学生も米国に32万人を送り、最先端の研究を学ばせている。注目度の高い論文のシェアは、米国が24・7%で一位である。中国は22%で、米国を抜くのは時間の問題であろう。

 5Gを巡る攻防で、米国が中国製品を締め出したことなどは、米国の恐怖を物語っている。

 この成果は、中国がいかに本気で世界一を目指しているかの実例である。中国は国を挙げて、プロジェクトを成功させようとしている。 

 一方、日本の良さは、自由な競争が出来るところだ。

 就業・創業・開業に挑戦するものを後押しすることが、今後の日本の進路を決定づける。

 官民一体となり推し進めていかなくては、後塵を拝するのみだ。