「温故創新」200605 N447 伊波喜一

大会の 簡素化目指し 知恵絞る 五輪の価値を 新たに見つめ     

 湿度が70%を超えている。ちょっと動くと汗が出るので、動くのが億劫になる。夏が思いやられそうだ。 

  来夏に延期された五輪の簡素化が検討されている。

 これまでの五輪は、過度な演出やスポンサー企業に焦点が当たりがちだった。お金をかけ、人を集め、イベントとして楽しませる。

 つい数か月前までは、インバウンドを見越した大規模集約を目指していた。 

 それだけに華美な商業主義を排し、五輪本来の質実さをどう取り戻すか問われている。

 完全な形を求めるのではなく、安心・安全な大会の開催が眼目となるのも分かろうというものだ。 

 ただ、前途は限りなく厳しい。コロナワクチンが開発されるには、グローバルな連携を必要とする。多様なサンプリングと治験を行い、安全性を確かめるられるかが成果を握る。 

 コロナはこれまでの商業主義から、人命尊重へと大きく舵を切るきっかけとなった。ここで、五輪の本義に立ち返り開催できれば、東京大会が新たなレジェンドとなる可能性を秘めている。これまでの発想を変え、取り組んでいけると良い。 

 多様性は続けることで育まれる。五輪も開催し続けることで、新しい価値を創造できる。そうならんことを、強く祈る。