「温故創新」181018 N252 伊波喜一

性被害 防ぎ救わん 一人立つ 地道な奉仕 誰を頼りに  

 ノルウェーのノーベル委員会は5日、2018年のノーベル平和賞を、アフリカ中部コンゴ民主共和国の婦人科医デニ・ムクウェゲさんと、イラクの少数派ヤジディ教徒のナディア・ムラド・バセ・タハさんに授与すると発表した。デニさんは内線状態の続く同国で、武装勢力戦闘員によるレイプ被害を受けた女性らを、合併症から救ってきた。その活動を止めるよう脅迫されたり、襲撃されたりした。一方、ナディアさんは自身がイスラム国(IS)に拉致され、「性奴隷」としてレイプや暴行を受けた。そのトラウマとたたかいながら、ISの性暴力被害を告発している。この間の苦闘は筆舌に尽くしがたいものがあったに違いない。誰かを頼りにするわけにもいかない中、自らの信念を行動に変えた闘いの原動力となったものは、何だったのだろう。その強固な信念を形作ったものは、幼少期の生い立ちや二人を取り巻く人間関係力と決して無縁ではなかったろう。  日本が世界に目を向け、真に国際友好や貢献をしていくには、このような人権擁護の思想を高めあうことが必要だと、強く思う。