「温故創新」240424 N1414伊波喜一

人間の 勝手気儘の しわ寄せが 気候変動 健康被害 

 昨晩遅くから降り始めた雨は、豪雨に変わった。稲光が凄まじく、放電の影響が出ないものだろうか。明け方からは肌寒いぐらいだ。

 国際労働機関(ILO)は22日、気候変動による健康被害の概算を発表した。それによると、世界全体の労働人口の7割を超える24億人以上が職務上、気候変動による「酷暑」などに晒され、健康被害が出ると推定した。

 実際に毎年1万9千人近くが、酷暑関連で命を落としているとしている。が、後遺症を含めると、この程度の数では到底済まない。

 ILOは職場に危険をもたらす気候変動について、紫外線や異常気象、大気汚染なども挙げている。その影響を顕著に受ける職業は、農業、建設業、災害救助活動など、広範囲にわたる。

 温帯に属する日本の本州も、最近は春と秋の期間が短くなり、四季の区別が曖昧になってきている。夏場が長期化し高温になってくるため、体への負担が大きい。とりわけ、子どもや高齢者、持病を抱える人にとり、高温の中での活動は命取りとなりかねない。

 これまで働き方改革は、労働の量と質のバランスを考慮してきた。これに働く時間帯と休息の質と回数を、組み込まれなければならない時が来ているようだ。

 そしてそのようなライフスタイルを実現するためには、現今の消費型の生活スタイルを変えていくことが大前提となろう。

「温故創新」240423 N1413伊波喜一

不名誉な 軍事費更新 最高に 軍縮後退 377兆円 

 明け方の雷に目覚める。地面に叩きつける雨の音が聞こえてくる。梅雨入りしたわけでもないのに、気候が変わってしまったかのようだ。

 ストックホルム国際平和研究所は22日、2023年の世界の軍事費が2兆4430億㌦(377兆7610億円)だと発表した。前年比6.8%増である。9年連続の増加で、過去最高額となった。

 米国、中国、ロシア、インド、サウジアラビアの上位5カ国の合計が、全体の61%を占めている。ウクライナは51%増、日本は11%増となった。

 地域別では南北米大陸が世界の41%、アジア・オセアニア地域が24%を占めた。南北米大陸に関しては、政情不安定な要因が大きい。腐敗やテロ、麻薬や抗争を力づくで押し込めようとしている。

 アジア・オセアニアは、中国の脅威が要因である。彼の国が軍事を拡張し、力づくで覇権を拡大する。備えあれば患いなしと考えるのは、どこの国も同じである。

 この有様では、軍事費の削減は夢のまた夢である。一旦悪の連鎖が起きると、互いが消耗するまで闘いつくさないと収まらない。

 もし377兆円もの予算を文化・教育・芸術に当てたら、どれだけの人材を育てることが出来、興隆させることが出来るだろう。それが善の連鎖となり、地域や国土に還元される。

 そのためにも、修羅界の指導者達の一念を変えることが喫緊である。

「温故創新」240422 N1412伊波喜一

最終の 工事の細部 打ち合わせ 住む人目線 住まい楽しく 

 黒木のてっぺんまで、ツタが這い上っている。庭師の比嘉さんに「ツタは下を切り落とせば、上は自然に枯れるよ」と教えられたが、正直なところ半信半疑だった。ところが一日経ってみると、その言葉通りに上の方まで枯れている。さすがにプロの一言は、深みがある。

 建築設計のカポックと、平屋の最終工事打合せをした。玄関の仕様からコーキング、シロアリ駆除まで40項目を確認した。

 室内のリノベーション工事は粗方終わっているので、あとは細かいところをどう仕上げていくかである。これは居住者の好みの問題が大きい。細部にわたる調整が求められる。

 岡戸さんはそこを1つ1つ確認しながら、進めていった。かなり面倒なことだと思うが、生活者目線で話を進めてくれた。

 コスパやタイパで考えれば、効率よく進めた方がいいに決まっている。それを行きつ戻りつしながら、こちらの意向を形にしてくれた。如何せん、時間がかかり過ぎるのが唯一気にかかる。

 そんな時、渡久地さんは「ゆっくり決めていってください。生活していくと、『ああしたらいい、こうしたらいい』と考えが変わっていくので、焦って今一気に決めない事ですよ」と笑顔でいる。

 確かに、生活は実際に暮らしてみないと分からない。微調整する必要も出てくる。アイドリングのように肩の力を抜いて、ざっくりと進めていこうと思っている。

「温故創新」240421 N1411伊波喜一

想像の 心育てる 大切な 読書の機会 創り出すかな 

 蚊に刺されて、腕の裏側が痒い。庭先にちょっと立ち止まっていただけだが、気づいたらあちこち刺されている。皮膚の柔らかいところを、狙われている。軟膏を何度も塗って、ようやく痒みが治まった。

  蚊取り線香と痒み止めは、沖縄の生活での必需品である。

 世界的な建築家の安藤忠雄さんは、子どものための図書館「子ども本の森」を作っている。大阪の中之島を皮切りに、今月8日熊本にもオープンした。安藤さんはなぜ、図書館を作ろうと思ったのだろうか。

 1つは自身を育ててくれた社会への恩返しである。

 2つは国際情勢の大きな変化の中、日本の立ち遅れが深刻であるからである。この国が生まれ変われるかは、子ども達にかかっている。それは偏差値を基準とする現今の教育ではなく、子ども達が自由な心で考え、行動へと踏み出す勇気を培うことだ。

 確かに、現今の日本や世界の教育は知育過多である。教えた通りにやるべきことを是とするやり方では、創造的な生き方は出来ない。他と比較することでは、価値的な生き方は生まれない。読書を通して、自身の想を広げることが価値を生み出すと、安藤さんは考えてきた。

 大阪中之島の子ども図書館を昨年、上さんと孫が訪れた。1歳になった孫は自分の手で本を手に取り、元の場所に戻していた。文字通り、本を身近に感じることが出来た。

 世界中に図書館を作るという安藤さんの夢が叶うよう、応援したい。

「温故創新」240420 N1410伊波喜一

蚊に食われ 雑草抜きに 腰痛し 日々のメンテを 焦らず続け  

 庭の雑草がはびこっている。年に何回かシルバーさんに草刈りに入ってもらったものの、根っこが生きている。

 その根っこが茎のように太くなっていて、容易に引き抜くことが出来ない。これらが土から栄養分を吸い取って、木の栄養不足を引き起こす。そう思って力任せに引っ張ると、指や手首を痛める。こうなったら持久戦で勝負するしかない。根気強く、草むしりしていこう。 

 ツタも要注意だ。木に巻き付いて、表面を覆い尽くす。それだけではない。ツタの茎が鉛筆の太さ近くにまでなり、これが木を万力のように締め付ける。

 これを剥がすのは、一苦労である。力と時間と執念が不可欠である。根気強く剥がしてみると、木にへこみがついている。それも羽交い絞めの要領でだ。これらに取りつかれたら、防ぎようがない。人間が丁寧に剥がしていく以外にない。

 4月いっぱいは、平屋の周りの草むしりに精を出そう。5月に入ったら、下の庭の雑草を借り取ることにする。父が植えていた芝は、この7年間の不在で、すっかり雑草に覆い尽くされてしまった。先ずは雑草を刈り取って、それから少しずつ根っこを掘り起こそう。

 地震で破壊された輪島町の棚田を、復旧し始めていた。傾斜地にあり様々な形状の棚田の修理をし、雑草を刈り取っていた。根気強い取り組みに、頭が下がった。 筆者の苦労など、物の数ではない。

「温故創新」240418 N1409伊波喜一

親しんだ 多摩ナンバーを 返却し 沖縄ナンバー 希望番号   

 夜半に風が強く吹いた。枝が揺らされて、枝擦れの音が聞こえる。

 港川の陸運局に、自動車のナンバープレートを取り替えに行った。東京の多摩ナンバーで30数年を過ごしただけに、このプレートには愛着がある。

 下4桁9179は、「悔いなく」と読みかえることが出来る。悔いなく自分らしく闘い切る。その足として、マイカーは活躍してくれた。

 家族で大阪の友人に会いに行った時は、家族4人車中泊をした。狭いながらも、かろうじて足を伸ばして寝ることが出来た。途中寄ったスパの湯船で手足を伸ばした爽快感は、比べようがない。

 義弟が心臓手術で上京してきた時には、羽田まで迎えに行った。孫達がコスタリカから来てくれた時には、成田まで迎えに行った。節目節目で活躍してくれたこのナンバーを、今後も是非使いたい。それで、希望ナンバーを申請した。

 陸運局では多摩ナンバーを外し、沖縄ナンバーに取り替えた。今日から、活動の舞台がこの地に移る。戸惑いながらも、自身や家族のために悔いなく走り切りたい。

 同時に、地域のために出来ることもあると思う。これまで重ねてきた経験は、必要とする人に活かしていけばいい。

 時間やお金を出し惜しみすることなく、自利だけでなく利他の気持ちで自身の歩みを進めたい。第2の9179の人生に賭けてゆきたい。

「温故創新」240416 N1408伊波喜一

突発の 病に翻弄 孫介助 手助けする人 好意に涙  

 庭の木に鳥たちがやってきて、朝から口角泡を飛ばしている。

 コスタリカの孫の熱が引かず、今日で4日目となる。首の後ろや手足に赤い発疹が出来て、唇も皮がめくれたようになっている。

 解熱剤で熱を下げてきたが、どうも効果が疑わしい。もしかして、日本人に多く発症する川崎病と、症状が瓜二つじゃないのか?!

 幸運なことに、救急外来で受診した公立病院の医者が川崎病のことを熟知していて、即刻入院となった。

 川崎病は大動脈瘤が出来て、心臓を圧迫する。血栓が出来ないよう、初期治療が重要とされる。予後の状況を考えると、このタイミングで入院できたことは幸運に尽きる。

 入院は7日間でその間、病室で孫の面倒を見なくてはならない。病室には1人しか待機出来ないので、相当数の人数でローテーションを組まなくてはならない。

 有難いことに、家族以外に親戚や友人、職場の同僚、SGIメンバーが申し出てくれた。忙しい中、快く声をかけ手助けしてくれることに、感謝で一杯だ。上さんと二人駆けつけようにも、それが出来ない。現地の方の真心が、有難くてたまらない。

 異国で暮らすことは、限りなくハンデが多い。しかし、そのハンデを共有すれば、それは互いにとってかけがえのない財産となる。孫の病を通して、そのことを実感している。